法面でも活躍するドローン測量。そのメリットと課題

土木工事や土砂災害の危険な箇所を防災調査する時に、土地の法面・斜面の測量が必要となってきます。

2023年現在、測量にドローンを導入する会社が増え、国交省が勧めるi-Construction(ICT土工)への対応に伴いドローン測量が急速に広まっていますが、この法面の測量にもドローンが用いられ、高い評価を受けています。

そこで今回の記事では、法面におけるドローン測量の内容やメリット等について解説してまいります。

どうぞ最後までご覧いただき参考にしていただければと思います。

ドローン測量が法面に適している理由とメリット

法面、斜面での作業は崩壊や落石などの危険性が高く、従来の人による測量や丁張りの設置はケガや事故につながる可能性もあります。

そのため、設計した通りの施工を行うことが難しく、結果、断念してしまうケースも少なくありませんでした。

また、法面で行う工事は作業条件が過酷で難易度が高く、工程に遅延が起こりやすい傾向にあり、結果的に工期が長期化することも少なくありません。

そこでドローン測量を利用する中で、このような問題をすべて解決することが可能となります。

まず、ドローン測量はUAV(無人航空機)を自動で飛行させて搭載したカメラで画像を撮影し測量するという手法ですから、生身の人が危険な場所で作業をする必要がなく安全に実施することが出来ます。

また、短い時間で広範囲の撮影が行えるため、業務の効率が向上し時間とコストを抑えられます。

他にも、専用のアプリケーションを使って3次元点群データの取得、解析、3Dモデルの作成がしやすく、精度の高い計測を行えること、現場での管理にかかる負担が軽減できること等、さまざまなメリットがあるのです。

法面の測量が必要となるケースとドローン測量の効果

法面での測量は、主に行政の事業による山間部での土木工事や防災調査において行われます。

従来の方法なら1ヶ月程かかる作業が、ドローンを活用することで3日程度で完了することが出来るため、人手不足やコスト削減といった問題に悩む土木、建設関連の業者では特にドローンの高い技術を持った操縦士の育成に力を入れています。

また、土砂災害危険箇所のうち、人家が5戸以上ある「急傾斜地崩壊危険個所」に指定されている箇所の数は全国に11万以上あり、安心して生活できるよう早急に調査、検証を進める必要があります。

その際、ただ早いだけでなくどれだけ正確な情報を把握できるかが重要となります。航空機を使った空撮やレーザー測量よりも地上に近い高度でフライトできるドローンは、より高精度な写真の撮影と基図の作成が行えるのです。

ドローン測量の課題

メリットの多いドローン測量ですが、課題もいくつか残されています。

例えば、一般的なドローンの場合、バッテリーの持続時間は30分~40分であることが多く、それ以上の長時間の飛行を連続して行うことは出来ません。必要な場合は現場でバッテリーの交換の作業を行い、その分時間と手間がかかってしまうことがあります。

また、天候や気温などの環境に影響されるため、作業当日の状況をよく確認し、場合よっては測量を中止することもあります。

木の枝や葉が生い茂っているような障害物の多い環境でも、測量が難しくなります。

更に自分たちでドローンを用意する場合、機体の価格は300万~1000万円程度と高額です。

以上の点が現在ドローン測量の課題として考えられますが、今後も幅広い産業や分野に向け導入が進められていくドローンですから、研究や開発が急ピッチで進められているのも事実。

これらの課題をクリアする機能を持った製品が実現する日も近いのではないでしょうか。

本サイトではドローン測量に関連するサービスや実用事例、情報について発信しております。ぜひ合わせてお読みください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です