住宅は定期的な点検が大切です
住宅を建ててから築年数が経っていくと、どこかしら不具合が発生したりどこかが壊れたりと気になる箇所が出始めます。
家の中でも屋根や外壁は雨風や紫外線、地域によっては雪や台風などの天候の影響で特にダメージを受けやすい場所で、表面的に目視できる劣化だけでなく構造体、躯体の劣化も気付かないうちに進んでいるのです。
ここまで進んでしまうとリフォームの費用や工事期間の負担は非常に大きくなってくるため、そうならないように定期的な点検やメンテナンスが重要です。
住宅点検にも活躍しているドローン
ドローンは近年、テレビだけでなく街中でも見かける場面が増えてきました。
中でも建設現場での測量や災害時、輸送、建物の屋根の点検等、これまで人の手によって行ってきた危険を伴うシーンやさまざまな分野で活用され非常に活躍しています。
そんなドローンの活用事例として、今回の記事では住宅の点検について解説していこうと思います。
ドローンで住宅の点検を行うメリット
ドローンを使用して住宅の点検を行うことで従来の方法と何が違うのか、どんなメリットがあるのかについて紹介してまいります。
作業時間が短縮できる
従来の方法では丸1日かかっていたような点検も、ドローンを導入すれば足場などの機材を設置する必要もなく上空を飛行しながら移動し点検できるため数十分で完了することが可能です。
業務の効率化を図れる
ドローンでの点検は作業時間が短くなるだけでなく、報告書の作成もアプリと連動して作成できるため、通常だと提出までに1週間程度かかっていた業務をその場で作成し、最短で翌日には提出することもできます。
また、見積の作成も屋根や外壁の面積をアプリを使って自動計算できるため、これまでのように復元図面の作詞絵や現地の実測が不要となり、業務全体を効率よく進めることが可能です。
少ない人数で作業できる
住宅の点検にドローンを導入することで、必要な人員の数を従来よりも大幅に減らすことが可能です。
従来の方法では点検をする際、クレーン等の重機を運び足場を組む等、準備だけでも多くの人が必要です。
また、点検にも重機のオペレーターや点検を行う作業員などが必要となりますが、業界として近年人員不足の問題に悩まされている中で人員を確保すること自体、難しい状況でした。
しかしドローンであればドローンの操作を行う操縦者を含め必要最低限の少人数で作業を行うことが可能です。
安全に点検できる
屋根や外壁の点検では住宅の周りに足場を組んで作業員が上に登り点検するのがこれまでの方法でしたが、やはり危険が伴い慎重に進める必要がありました。
しかし無人航空機であるドローンによる点検では人が高所で作業する必要はないため安全に点検を行えるという大きなメリットがあります。
高精度・細かい点検ができる
小型なドローンの機体に高性能なカメラを搭載し上空に飛ばし点検を実施することで、従来の方法では人が確認しづらいような場所でも接近させ撮影し簡単に確認することが可能となります。
また、赤外線カメラを搭載すれば屋根材の蓄熱状態を感知しひび割れや破損等を検知できるため、修理などの対応を早く行うこともできます。
屋根や外壁を傷めるリスクが低い
人による点検では屋根の上を歩いたり直接作業をすることで瓦や外壁塗装などが傷む可能性があります。
また、雨漏りが起こった際など業者に依頼せず自分で確認しようと屋根に登る人もいるかと思いますが、建物の構造を理解していないと非常に危険なのでやめましょう。
ドローンによる点検は屋根や壁に接触せずに点検を行えるため、屋根や壁を傷めたり壊したりといったリスクが少ないこともメリットです。
高さ、形状に制限なく点検できる
戸建て住宅でも最近は平屋の数は減っていて、はしごで登ることができない高さの建物(2階から3階建て)が増えています。
また、勾配が急な屋根や雨上がりの滑りやすい状態の屋根、塗装後などは作業員による点検が難しい場合が多いです。
ドローンであれば高い建物や形状、状態に限らず点検を実施することが可能です。
屋根の状態を業者と一緒に確認できる
ドローンによる点検では、空撮した映像を利用して点検を行います。この映像はタブレットで見ることができるため、お客様と業者が一緒に状態を確認することが可能です。
これがなぜメリットとなるかと、素人にとって点検の説明を言葉だけで受けても分かりにくく、また人による点検では実際に依頼者は見ることが出来ないため、修繕が必要と言われればただ納得しなくてはならない状況となってしまうと思いますが、一緒に映像を見れることで説明を受けながら状況を把握でき、修理の必要有無や工事内容についても理解しやすくなり、不必要な工事をされて高額な費用を請求される等、悪徳な業者やトラブルを防止できるという効果もあり安心なのです。
ドローンで住宅の点検を行うデメリット
以上のようにドローンのメリットはたくさんありますが、デメリットはあるのでしょうか。
騒音が出る
ドローンは小型とはいえ飛行する際にプロペラの羽音がします。
機種によっても異なりますが、一般的には水洗トイレやテレビを大音量で流した時と同じくらいだと考えて下さい。
作業時間は短いですし屋根や外壁の点検は屋外で行われますので、そこまで被害を出すようなことを考えられませんが、とはいえ近くに他の住宅がある場合には近隣の方にあらかじめ点検の日時についてお伝えしておく等の配慮をしておくと良いでしょう。
応急処置ができない
点検を行って割れや不具合を発見しても、その場ですぐに応急処置ができない点はデメリットでしょう。
そのため、点検する前から何かしらの処置や屋根材の下の内部まで点検しなければならない可能性があると分かっている場合には、ドローンの利用はせず人による点検を実施した方が逆に効率が良く余計な時間や料金がかかるのを防ぎます。
飛行できない場所がある
ドローンの飛行は航空法や小型無人機等飛行禁止法といったさまざまな法律や自治体によっても制限や規制がされており、定められたルールや条件を守って飛ばす必要があります。それは住宅の点検にももちろん適用されます。
例えば人口集中地区や空港の周辺、地表面から150mを超える高さを飛行させる際には航空法で事前に国土交通省などからの許可が必要であると定められています。
ドローンを導入した専門の点検業者であれば飛行の可否を事前に調査し、必要に応じて事前に許可の申請・取得もしてもらえるため、自分たちで勝手に飛行させないよう注意しましょう。
天候に左右される
ドローンは雨や風に弱く天候によって左右されるところが弱点です。
点検日を決める際は事前にしっかり天気予報をチェックする必要がありますが、作業中に突然の雨や強風が起きた時は中止になる可能性もあります。
また、地上と空では風速が異なることもあり、風が強いことが原因で墜落や事故の恐れがあるため、必ず確認するよう気を付けなくてはなりません。
ドローンによる住宅点検業者の選び方
ドローンの飛行には現状、特別な資格は必要ありません。
ただし、上記で説明したようにドローンの飛行にはさまざまな規制があり、条件によって許可の申請等が必要となります。
また、屋根や外壁を傷めずに細かな場所も徹底して点検するには操縦の技術もある程度必要となってきます。
そのため、ホームページ等を検索しドローン点検の実績を豊富に持っている信頼できる会社に依頼することが大切です。
例えばインターネットで検索すると出てくる口コミを調査します。すべての口コミを信じる必要はありませんが検討する際の参考にはなります。あまりに悪い口コミばかりの業者は何かしらの問題があると予想されるため避けた方が無難でしょう。
また、住宅の点検を実施している業者は全国各地に存在しますが、自宅のエリアがサービスの対象の範囲内でなければいけませんので、自宅のある地域に密着してサービスを提供している業者を選びましょう。
まとめ
現在、さまざまな分野で導入され活躍が期待されるドローンですが、住宅の点検にも用いられています。
従来の方法と比べて効率良く作業が進みコストパフォーマンスも良く安全に作業できるため、点検する側も依頼する側もメリットが多いでしょう。
一方で騒音や規制、天候などのデメリットもありますので、事前に知っておき対策しておきましょう。
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