ドローンを活用した建物点検のメリットと注意点

建物調査は一般的に人の手により行われ、危険なリスクや手間、高いコストがかかります。

そんな中、近年、さまざまな業界や分野に導入されているドローンが建物の点検にも導入されるケースが増えています。

そこで今回の記事では、ドローンで出来る建築・構造物点検の内容や導入するメリットについて解説してまいります。

どうぞ最後までご覧いただき、ドローンの導入を検討されている皆様の参考にしていただければと思います。

ドローンを活用した建物点検とは

従来は打診用のハンマーを使用して壁面を打ち、その音の高低で外壁の浮きの有無や位置を確認する打診法による建物の外壁調査が一般的でした。

広範囲におよぶエリアの調査を行う場合は足場やロープ、ゴンドラの設置が必要になり、大きな手間や高い費用、高所での作業による危険が伴う方法です。

一方で最近広まりつつあるドローンを使った点検は、ドローンに搭載した赤外線カメラで主に温度の差を感知する無人での建物調査になります。

空撮した写真と赤外線画像を分析し、異常を示す箇所の判別、解析、報告を行うことが可能です。

中でも、大型の施設である映画館や商業施設、病院、ホテル、マンション等の特定建築物に対する調査は、2安全性を確保することを目的とした建築基準法の第12条に定期的な調査と特定行政庁への報告を行う義務が定められており、これらの建物は高所で人が入りにくい箇所などもあるため、2022年4月1日の改正により正規の調査方法としても対応しているドローンを利用するケースが増えているのです。

ドローンで建物点検を行うメリット

それでは建物調査にドローンを導入する主なメリットを以下、紹介していきましょう。

短時間で調査が完了する

ドローンを導入することで、これまでのように足場やクレーン、ゴンドラ等の設備が不要になるため時間や人の人の手で打診していく方法と比較して作業が効率化し、大幅に調査にかかる時間が短縮されます。

具体的には、これまでは外壁の全面を調査するのに半月から1ヶ月程度はかかっていた期間が、ドローンによって1日以内に完了するケースがほとんどです。

コスト削減

上記のような定期調査は、業者の目視による方法だと時間だけでなく費用もかかり、大きなデメリットとなります。

しかしドローンであれば上空を飛行させるだけで調査を実施できること、業務に必要な人の数も少なく済むので大幅なコスト削減を実現できます。

安全に点検できる

ドローンを使えば高層ビルや屋根、ソーラーパネル等の高所での作業や、立ち入ることが難しい場所での点検を無人で行うことが出来るため、安全性が高くなります。

高精度な診断が可能

ドローンと高性能の赤外線カメラの組み合わせ、人による点検では難しい箇所のデータも取得し細かな分析ができるため、従来の方法よりも精度の高い診断を行うことが可能です。

点検の結果を記録できる

カメラ装備を備えたドローンで実施する赤外線調査は、調査した画像や静止画を記録として保存することが可能です。

もちろん、従来の調査で人が撮影した画像も保存することは出来ますが、赤外線カメラで撮影したデータはサーモグラフィーを使っているため、外壁のタイルの浮きやヒビ割れなど劣化の状況がすぐに分かりますし、次の調査に生かすことも可能です。

修理の見積に使える

ドローンでの点検は精度が高いため、建物の修繕費用の見積もりを修繕する前の段階で出すことが可能です。

従来の手法では部分的な計算しか出来ず、見積もりと実際の費用の差が大きくなるケースが多いのですが、ドローンでは正確な見積もりを出すことが出来るため、提示された費用からの変動はほぼありません。会社と依頼した側、双方にとって大きなメリットです。

ドローンで建物点検を行う資格

ドローンを使った赤外線調査は、「ドローン調査安全管理者」が行います。

ドローン調査安全管理者とは、建築物の調査はもちろん、ドローンの飛行に関する専門の知識や技術、技能を十分に持ってドローンの管理や運用に関する作業全体を統括し、操縦者や補助者等を掌握する者であり、ドローンに関連する職務の責任を負います。

他にも国土交通省が認可するドローンパイロット1級や赤外線建物診断技能士といった資格もあり、これらを保有する者を点検の時に配置することで安心、安全に業務をを実施することが可能となります。

ドローンで建物点検を行う際に注意したいこと

ドローンで建物点検を行う時に注意しなければならない部分について紹介します。

天候

ドローンは機体が軽量であるため雨や風に弱く天候に左右されやすいところがあります。

特に風速が5m/sを超えると墜落や事故の発生リスクが高くなりますので、安全に調査を行うためにも天候を事前にチェックして点検の計画を立てましょう。

立地

ドローンは立地、周囲の環境の条件によって飛行が難しい場所があります。

ドローンの飛行が認められている場所はそもそも規制法によって決められているため、点検の対象となる建築物が許可申請が必要かどうかも確認しておかなくてはなりません。

また、狭い場所は操作が難しい場合があるため注意しましょう。

まとめ

以上のように、建物点検、調査にドローンを導入することで作業の効率が進み、業務に伴う時間や費用を削減、更に高精度な点検を実施できる等、多くのメリットを得ることが出来ます。

天候や立地といった飛行に影響する条件をよくチェックしながら、安全に作業を進めることが重要です。

当社では富山県砺波市を中心にドローンを使用した事業を行っており、測量や3D画像作成、撮影といったサービスを提供しています。

コスト削減や人材不足等の悩みや不安を抱えていらっしゃる方、ドローンの導入を検討されている方は、ぜひお気軽にお問合せフォームよりご相談いただければと思います。

また、当サイトでは他にもドローンの特徴や機能、導入事例等さまざまな情報を発信しておりますので、ぜひ合わせてご覧くださいませ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です