近年、様々な場所で目にするドローン。一般の方でも気軽に映像の撮影や様々な目的で用いることが増えましたが、高性能な機能を搭載したモデルは産業用ドローンとして現在、建設業界や農業、工事、点検、救命の現場といった多くの事業で導入が進み、注目を集めています。
そこでこの記事では主なドローン測量の特徴とメリットをまとめ、一覧でご紹介していきます。導入を検討されている方に向けてぜひ参考にして頂けると嬉しいです。
ドローン測量のメリット5選
作業時間を短縮できる
ドローン測量のメリット一つ目。ドローン測量はこれまで人がセスナ等の航空機に乗って行っていた空中写真測量技術と比べて全ての作業で大幅な時間短縮を実現しています。
まず、事前準備も少なく、短時間で広範囲の空撮が可能。距離や体積など高い精度で正確な情報を3D点群データとして取得、様々な3Dマップの作成、専用のソフトを利用すればデータ解析も素早く行われます。そのため、すべての業務でかかる時間が削減でき作業の効率化や工期の短縮につながります。
実際にドローン測量を使用した例では、「UAVの使用により通常5日程度かかっていた作業が半日~1日で全て完了した。」という調査の報告があります。
人件費の削減
作業時間と同様、必要な人員の数も少なくて済むのがドローン測量のメリット。トラバース測量では人手が必要で、範囲が広くなると高い人件費がかかる事になります。
しかしドローン測量ならエリアを指定しスタートボタンを押すだけで自動的に飛行して測量を開始する位置まで移動し撮影を行って戻ってきます。つまり現場によっては1人でも作業完了させられ、比較すると大幅なコストの削減につながります。
ただし、ドローン操縦のみであれば航空法に従って許可申請を行うことで誰でも行うことが出来ますが、測量を行うにはトータルステーション(距離と角度を測れる装置)を用いた地上測量と法的には変わらず、測量士の資格の取得が必要です。
測量範囲が広い
人が入れない場所や危険な場所等、従来は計測が難しい状況や出来なかった場所がありますが、上空から測定を行える小型の無人航空機であるドローンを使って地形や土地、地面の形状などの制限や規制なく安全な測量が容易となりました。
この特性を活かして、災害時の救命、救助にもドローンが活躍しています。
操作や測量の方法が簡単
ドローン測量は測量士の資格が必要であることを書きましたが、測量方法は非常に簡単で初心者の方でも分かりやすいのがポイント。複雑な知識も不要でマニュアルに従えば作業の大半は事前の準備で終わります。
一般的な手順の流れをご紹介すると、
1.飛行の経路を作成、現地の作業予定を確認
2.GPSの設置(求められる精度により省略も可能)
3.撮影の実施
4.データ処理
となります。
高精度
国土交通省によるi-Construction(ICTを活用する取り組み)といった国による支援の影響もあり、ドローンに搭載されたカメラの解像力の向上や専門のソフトウェア製品の開発も進み、それぞれを合わせることにより機体の性能は進化しています。
ドローンは航空レーザー測量と違って雲や雨の反射を受けずに低い高度を飛ばすことが可能で、低空飛行により地表から近い距離で精密で明瞭な写真や映像を撮影をすることが出来ます。
地上基準点(GCP)と3DソフトによってGPSの精度を向上させることも出来ます。
これにより現場の図面や得られた位置情報から正確な地図、歪みを補正したオルソ画像なども作成可能に。
ちなみに産業用ドローンの費用は数十万から数百万と幅が大きく、最新のものはかなり高価です。安価なものだとそれだけパフォーマンスが落ちてしまいます。用途と相談にはなりますが、購入する際は100万以下の物は避けるのがおすすめ。
以上のことから、ドローン測量の導入は仕事の幅が広がる可能性が高く、デメリットよりも圧倒的にメリットの多い選択となるでしょう。